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交通事故被害者が亡くなった場合の交通事故示談終了までの全体の流れ

一、交通事故発生

  1. 事故発生を60日以内に保険会社へ連絡。
    連絡しないと保障がうけられなくなることもあるので、しっかり連絡。
  2. 自分では病院に行くほどでもないと思っても、必ず病院で精密な検査をしてもらう。
    事故2〜3日後から、いろいろな症状が出てくることもあるので病院には必ず行く。
    頭部、内臓、脊髄の検査は必ずしておく。
  3. 軽き気持ちで物損事故で処理してはいけない。
    物損事故にしてしまうと、後から治療費を請求しようとしてもできなくなってしまう恐れがでてくる。
  4. 加害者が警察に届けないように言ってきても、簡単に応じてはいけない。
    賠償金を受け取るのに必要な交通事故証明書が、警察から発行されない可能性があり、十分な補償が受取れなくなってしまうおそれがある。
  5. 警察、病院でのできごとについて、メモなどに記録しておく。

二、交通事故損害賠償の話し合いを始める時期

  1. 被害者死亡の場合、状況が落ち着いたら損害賠償の話し合い(示談)をスタートする。
    四十九日後示談交渉を始めることが多いようです。
  2. 示談に必要な書類をしっかり準備しましょう。
     
  3. 損害保険会社営利を目的とした会社であることを認識し、慎重に示談交渉をしてください。あせってはいけません。
    損害保険会社が提示してくる金額では、遺族の将来生活に十分でない場合が多くあります。ご注意を。

三、話し合い終了、交通事故示談書作成、損害賠償金の支払い

  1. 話し合 いにより合意の場合、示談書という合意書を作成(示談書を作成してしまうとやり直しは原則できないので注意)。
    損害保険会社以外と示談書を交わす場合は、公正証書による示談書にしましょう。
  2. 話し合いが不調の場合、裁判所や、裁判所以外の機関に解決を仲介してもらい、加害者被害者の合意を図る。
  3. 加害者被害者が譲歩せず、話し合いがうまくいかない場合、裁判で強制的に解決するしかない。
    交通事故の98パーセント以上は、裁判にならず、話し合いで解決される。

交通事故保険金誰が請求できるのか

被害者が死亡した場合、相続人が損害賠償請求する。
相続人間で、誰か代表者を決めて交渉することが多いです。
相続人が配偶者 2分の1
      子    2分の1
相続人が配偶者      3分の1
     父母、祖父母 3分の2
相続人が配偶者          4分の3
      被害者の兄弟姉妹   4分の1

  1. 被害者死亡の場合、相続人は自分自身の慰謝料も請求可能です。 
  2. 被害者が未成年者の場合、親などが親権者として代理して請求します。
  3. 被害者が成年被後見人である場合には、成年後見人が損害賠償請求する。
  4. 婚姻届を未提出の妻が、損害賠償できるか?
    実質的に通常の結婚生活を送っているのなら、婚内縁の妻も請求可能な場合があります。
  5. 運転者の好意で同乗したものが、損害賠償できるか?
    原則は請求可能です。
    しかし、同乗者にも落ち度がある場合、その分損害賠償額が減少することもあります。

交通事故入院治療関係費、葬儀費に関する賠償金の計算

  • 医療関係費は原則、請求可能です。(病院の請求書や領収書で証明します。)
  • 特別室入院の場合、原則として標準的な病室分の料金のみ請求できます。
    例外的に、特別室を利用する特別な理由があれば、特別室の室料も全額請求できる場合もあります。
  • 温泉治療費、マッサージ治療費、医師の指示があれば、請求できる場合もあります
    請求のため医師の診断書などをちゃんと保管しておきましょう。
  • 入院中、看護のため職業付添い人を雇う場合、その全額を請求できます。
  • 入院中看護のため近親者が付き添う場合、一日5500円から7000円程度請求ができます。
  • 重症者が入院中の場合は、看護のため近親者プラス職業付き添い人のかたちも認められます。
  • 入院中の日常雑代は請求できます。
    定額化されていて、一日あたり1300円〜1500円程度認められています。
  • 通院のための交通費は原則請求できます。
    しかし、タクシー代は、タクシーに乗る特別な理由がある場合のみ、請求できます。
  • 老人や子供が通院する場合は、通院看護費として近親者付添い人に一日3000円〜4500円の請求が認められます。

交通事故の葬儀関係費

  1. 原則として、60万円程度まで賠償金が認められるが、資料で立証すれば100万円程度まで認められます。被害者の地位、職業により、若干の違いがあります。
  2. 葬儀費といて数百万円かけたとしても、全額を賠償してもらうのは、難しいです。
  3. 香典返しの費用は、加害者に請求できません。
  4. お墓の建設費用は、原則加害者に請求できません。

交通事故被害者が生きていれば得られた利益(逸失利益)

  1. (被害者の当時の年間収入×就労可能年数−生活費控除)×中間利息控除
    という計算式で求めるのが一般的であるが、その他の事情も参考に個別具体的に算出される。
  2. ・被害者の収入…被害者の労働によって得られた利益や年金をいう。
    よって、例えば、不動産賃料、株式配当、金銭貸借による利子は、収入に含まれない。
  3. 給与取得者の場合
    収入額は、事故前の収入を原則として用いるが、男女の全年齢平均賃金を用いる場合もある。
    公務員など、将来の昇給が証拠によって立証できる場合は、昇給を含めて収入額を決定する。
  4. 事業取得者の場合
    収入は、税金申告額を原則とする。
    しかし、家族の手助けのもと個人事業を営んでいた場合、被害者本人がか寄与していた分のみが、逸失利益の計算基礎の収入になる。
  5. 家事従事者の場合
    家事は、他人に依頼すれば、相当な代金がかかるものなので、財産上の価値を有する。
    そこで、家事従事者にも逸失利益を認めている。
    具体的には、女子労働者の全年齢平均賃金額を収入の原則とする。
    高齢で家事に従事していたものは、どの程度の家事に従事していたかにより判断する
    一人暮らし無職女性の逸失利益は、原則認められていません。
  6. 学生、幼児などの無職者の収入について
    全年齢平均賃金を基礎として計算するのが原則。
    大学在学中などであれば、学歴別賃金額を用いる。失業者
    労働能力、労働の意思を有していたものには逸失利益を認められる。
    しかし、働く意思の見られないものには、逸失利益認めるのは、難しいのではないかと思われます。
  7. 就労可能年数について
    原則として、67歳までとされているが、個別具体的に例外も認定されています。
  8. 生活費控除…被害者の死亡により生活費支出が免れたので、その生活費分を、死亡逸失利益から控除する。
    男子独身者は収入の50パーセント程度、
    扶養義務のある者は収入の40パーセント程度
    女子、主婦、などは収入の30パーセント程度
    とされているが、個別の事情により異なる結果になることもあります。
  9. 税金について
    人身事故損害賠償金は非課税とされ、所得税などはかからないとされています。

交通事故被害者死亡の場合の慰謝料

慰謝料…精神的苦痛に対する賠償金をいう。
  1. 一家の収入源(主として被害者の収入で生活が営まれている場合)となっているか、いないかなどを参考に算出されます。
  2. 一家の支柱の場合…1800万円から2800万円程度の慰謝料が認められる。
  3. 配偶者、母親、一家の支柱に準じる場合…1600万円から2400万円程度の慰謝料が認められる。
    例として、親に仕送りをする子供などがあります。
  4. その他の場合…1500万円から2200万円程度の慰謝料が認められる。
    例として独身男女、子供、幼児、職業についていない高齢者などがあります。
  5. 慰謝料の補完的機能・調整的機能
    被害者の財産的損害があるとは認識できても、立証が困難な場合に、その財産的損害を慰謝料で補完、調整することです。
さらに死亡した交通事故被害者が入通院をしていれば入通院慰謝料が加算されます。

交通事故後遺症問題専門
行政書士秋間康彦法務事務所

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